「石土毘古神」 |
-[石土毘古神(イワヅチビコノカミ)]--------------------------------------- 石工です。(何 対戦カードゲームでは極大防御力を誇る属性ということで、 一番最初に思い付いた『城のお堀り』の堅固さをイメージして描きました。 ------------------------------------------------------------------------ 古事記などの紀記において、国生み後のイザナギ・イザナミの次男である以外には 特に情報のない石土毘古神(イワヅチビコノカミ)。 建物の材料や主要部分を表している六神の中の、 建物の基礎材料である石と壁土を表している神と記されているだけである。 ------------------------------------------------------------------------ そこで名前から考察してみる。 "石土毘古"は"石土彦"と読み、男ということが判る。 では肝心の「石土」にはどういう意味があるのだろうか。 【名から】 ・[石土毘古神] 古来から、石積み・石築地(イシツイジ・イシツジ)・石垣など、 石を積み重ねてゆくことには、様々な呼び名があった。 それらのことから、石土のヅチは当字に過ぎず、 本来の意味は「積む」なのであり、その名は石垣毘古神ということなのである。 【山から】 ・[石槌毘古神] 次に、西日本最高峰・石鎚山から、石土毘古神を考察する。 石垣技術の発祥初期当時は石鎚山、愛媛の周辺に集中している。 当時その土地最先端の技術であった石垣技術を導く神として、 石鎚山の立派さから、「イハ-ツ-チ」すなわち「石の霊(チ)」 の住う場所として拝したのであろう。 その技術たるや、急勾配で断崖絶壁の山頂の上に 完璧な石垣を組んでいる程である。 【そもそも石垣とは】--------------------------------------------------- 建築にとって使用目的は、主に2通り。 [足場の平行を確保] 土地による、坂などの斜面。地面の凸凹を、平行に保つ基盤を造り、 建築しやすくする、快適に居住すること。 [建物の崩壊を防ぐ] 環境による、雨や風などによる侵蝕。害虫などの被害等の 災害などによる足場の崩壊を防ぎ、形を保つ基盤を造り、 長期間の、住居の維持をすること。 石の形を整え、その石を崩れぬように積み上げる人々を『石工』と呼んだ。 石垣の造り方には接着剤は使用せず、積み上げたその自重によって固定される。 積み上げ方もより強度を高める為、石と石とをガッチリ組み合わせる業が必要である。 [城のお掘り] 城造りに際して、藩ごとに 石を上手に組み上げる技術を競ったり、どれほどの石を運んだかで競い合っていた。 名古屋城はそれが顕著*3で、一つ一つの石に藩の紋を刻んだり、 大きな石をわざわざ組み込みつつ、隙なく堅固に造っている。 その強固さは確たるもので、何百年も経た現代においてなお、 微動だにせずその形を止め、城は崩れても石垣だけは現存しているというのは珍しくない。 【海外の石積み】 西洋において全てが石造りの家というのは珍しくない。 それは周りに石しかなかったからであり、地震という概念も希薄だったからである。 また、世界最大の石垣建築は、エジプトのピラミットも興味深い。 どちらも長き日に渡って形を保ち続けているのである。 石とレンガの違いは、レンガは練り物という点で決定的な差がある。 対し、石とは地球の重力。地盤の圧迫。マグマの熔解。などにより、 仕上げられた密たる固体である。 古い石垣は破損せず、新たに増設れたレンガが崩れ掛かっている という石垣もあり、その耐久性を証明している。 その耐久性は現代技術のコンクリートよりも強く、長持ちするのである。 -[イワヅチのデザイン]--------------------------------------------------- 風貌は、石工と神官を足して2で割った感じである。 石鎚山の頂上社にいる神主さんの不釣り合いさが強烈に残っている事と、 やはり石いじりは体力勝負という事から半裸である。 また、石鎚山は役小角や弘法大師などの修行の地であったと知り、 修験の山伏さを出す為に、鎖を肩にかけ、結袈裟を模している。(つもり; 性格は石槌頭ということで、頑固おじぃさんて感じでしょうか(^^ 【武装】 1石槌 石工が石を精製するときに使う、石槌手(利き手)という程に重要な器具。 石垣がイワヅチとも、石槌がイワヅチともいえる存在であろう。 片側がノミを打ち、反対が石の凹凸を削る。 柄のついた、物をたたくのに使う道具である。 武器さを出す為に異常にでかくし、大古の一神なので、 原始人のハンマーを模しています; 2石鉄砲「石槌の罰当たり」 石を割るとき石片の強く飛ぶことをいい、 石材加工の際小石片が眼に飛び入ることを「石槌の罰当たり」という。 石槌山蔵王権現のイシヅチを石叩き槌に言いかけた内海地方石工の戯語。 なので絵では地面を割らせ、攻撃手段の一つとして粉塵と石片を舞わせてみました。 3鎖禅定〔くさりぜんじょう〕 石鎚山の修行の特色は鎖禅定と称する3ヶ所の鎖の行場である。 その鎖を纏わせて石槌大神さを表しました。 4背景の棚段 愛媛周辺は石垣技術の発達によってか、山をまるまる削って 棚段にして村の基盤をつくり、突発的な地崩れを防止する為に備える造りがある。 今回は石垣の神を表現する為に石垣を多く描けるその棚段を選びました。 ------------------------------------------------------------------------ 石槌神社の詳細を知れます。 *『古今宗教研究所』 http://www21.big.or.jp/~tetsuki/hokan/ishiduchi.html *参考著書『ものと人間の文化史 石垣』著者・田淵実 法政大学出版局 石垣について調べた本です。著者の石垣マニアっぷりに脱帽する本です。 興味があれば探してみて下さいませ(^■^ *『名古屋城 清正石』 http://www.miyatasan.com/~yagifau/fujinamiism/nagoyajo.htm 積み石の参考です〜。奇形の石は"笑い石"というそうです ------------------------------------------------------------------------ |